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数理手法VI
2017年度開講

数理手法VI

時間とともに変化する不確実な現象を記述し理解するには、確率過程論が道具として用いられる。この講義では数理手法IVに続き、連続な確率過程の理論について講義を行う。

歴史なんていらない?
2009年度開講

歴史なんていらない?

この俯瞰講義では、大学で展開されている歴史学という学問の、基本的なあり方とおもしろさ、魅力を考えてみたい。まずは、歴史学の基本的なあり方に関する三人の講師の三回ずつの講義が行われる。これは、やや硬い表現を使うと、史学概論、史料論、歴史認識論だが、これらの領域の基本的な課題をできるだけわかりやすく提示したい。これに続いて、三人の講師がそれぞれ一回の講義で、自分自身の歴史研究の魅力を、具体的な人物、モノやフィールドワークに即して歴史を描いていく「作業場」を紹介しつつ語ることを予定している。歴史とは「現在と過去との対話である」というのは、20世紀を代表する歴史家E.H.カーの議論だが、この俯瞰講義を通じて、「歴史とは何か」について、ともにじっくり考えてみたい。

正義を問い直す
2011年度開講

正義を問い直す

この俯瞰講義では、昨年8月に東大安田講堂で行ったサンデル教授の講義が扱った諸問題について、学生諸君の理解をさらに深め、討議をさらに発展させるために、(1)本ゼミナール担当者でもある本学教員が、サンデル教授自身の立場を表明している著書だけでなく、彼のハーヴァード講義の教材をなす古典(アリストテレス、カント、ロックなど)および現代の文献(ロールズ、ノージック、ドゥオーキンなど)、さらに関連する追加文献を素材にして、正義論の諸問題を異なった視角から再検討するとともに、(2)サンデル教授を東大に招待して受講学生と対話する場を一度設定する。さらに、この講義とは別だが連携したプロジェクトとして、(3)この講義およびその先行演習である2011年度夏学期全学自由研究ゼミナール(「サンデル正義講義を問い直す」)を受講した者を中心とする東大生有志と、サンデル教授の講義の受講者から選ばれたハーヴァード大学の学生有志との間で、ポリコムによるビデオ・リンクの討議も行う予定である。 主教材は、Michael Sandel (ed.), Justice: A Reader, Oxford University Press, 2007:((Chaps.**)はこの教材内のChapter番号を指す。)

死すべきものとしての人間 ― 生と死の思想
2009年度開講

死すべきものとしての人間 ― 生と死の思想

第1回「有限的な生の意味」 Lecture 1 "The Meaning of a Finite Life" 生と死をめぐる現代の哲学的な思考は、伝統的な永遠概念の効力が停止したところから開始される。そのような前提のもと、「死すべきもの」という人間の規定を引きうけながら思考を開始した、ハイデガーの思索をとり上げる。そのことで、死を見据えることから浮かびあがってくる、生そのものの肯定のしかたを考えてみたい。 第2回「他者と共に在る生」 Lecture 2 "Life With Others" ハイデガーに対しては、さまざまな批判が提起されてきた。生と死の問題をめぐっては、その独我論的な傾向や「雄々しい」生への性向などが問題とされてきたといってよい。今回は、和辻哲郎、九鬼周造、レヴィナスの批判をとり上げながら、生の意味をめぐって、ハイデガーとはべつの視角から考える可能性を探ってみたい。

光の科学−未来を照らす究極の技術とアイデア
0年度開講

光の科学−未来を照らす究極の技術とアイデア

光は生命のみなもとであり、人類の文化と文明も光と深くかかわって発展してきた。人類はその黎明期から光を介して自然を見つめ、宇宙の星々からミクロの世界まで様々なスケールの事象を観察し、自然の仕組みを解き明かしてきた。光の正体はそもそも何なのか、という問いかけは、現代物理学の礎である量子論と相対論を生みだした。そして、20世紀後半のレーザーの発明を契機として、光技術が最先端の科学を牽引するとともに、社会基盤を支える技術を担っている。今や、「目」としての光の技術は、1京分の1秒の出来事を捉えたり、我々の脳内の活動を外から観察したりできるまでに進歩しつつある。光は物質を操る究極の「手」としても活躍し、エネルギーを集中して星の内部に匹敵する高温高密度の状態を作ったり、逆に物質を極低温に冷やして驚くべき精度でその動きを制御したりすることを可能にしている。また、光は情報を運ぶ「足」として、情報ネットワークを支えている。さらに、微弱光のもつ不思議な性質が究極のセキュリティをもつ情報技術を生み出す可能性も見えてきている。一方この新しい光の技術は、我々の生活の中に深く入り込んできている。照明としての光の技術は、新しい視覚体験を創造し、特別な空間を演出して心を豊かにする芸術となっている。この講義では、このように万能選手として様々な場面で活躍する光のサイエンスの最先端の姿を、いろいろな切り口から紹介していく。

生命の堅牢性と可塑性
2013年度開講

生命の堅牢性と可塑性

iPS細胞は、たった一つの細胞から個体を再生することを可能にした偉大なる発見です。この発見によって、生命の二面性があらためて浮き彫りになりました。ゲノムが、すべての情報を世代を越えて伝えるという非常に堅牢な側面。一方で、その情報が多様な細胞を生み出す可塑的な側面も持っています。堅牢性と可塑性、この二面性こそが、40億年という長い間、生命の連鎖が一度も途切れずに脈々と続いてきた理由です。 本講義では、ゲノムから生命活動にいたる情報の制御を軸に、個体の発生、細胞内タンパク質の入れ替え、iPS細胞を用いた再生医療の可能性、生体に備わる時計、脳神経の活動の解析を通して、堅牢性と可塑性という一見矛盾する性質を内包した生命の営みについて、考えてみたいと思います。

経済のグローバル化とひとびとのくらし
2008年度開講

経済のグローバル化とひとびとのくらし

現在、我々はグローバル化が急速に進展する時代に生きている。中国やベトナムの賃金水準の動向が日本企業の立地選択、ひいては国内雇用に影響を与え、米国の住宅価格の下落が内外の金融市場を不安定化させ、さらには景気動向を左右している。 カネ、モノ、ヒトがますます自由に国境を越えて移動し世界が一体化の度合いを強めることをグローバル化と呼ぶとすれば、経済分野におけるこのプロセスは、日本経済を世界経済の不可分の一部として取り込み、日本企業の活動や労働者・生活者としての我々の経済・社会生活も含め、我が国のあり方を大きく変えつつある。 本講義は、こうした経済のグローバル化の進展とその日本へのインパクトに焦点を当てて、カネ、モノ、ヒトなどいくつかの切り口から、我が国の経済・社会に及ぼされつつあるプラス及びマイナスの影響を明らかにするとともに、地球規模での競争の時代における我が国のあり方について考える。

Linear Algebra
2016年度開講

Linear Algebra

数理手法VIII
2019年度開講

数理手法VIII

主に経済・社会系に関する最近の data-driven な研究を紹介し、それらを理解するための数理手法を解説する。研究を進めるのに重要なこれらの数理手法の理解の糸口になるよう講義をする立場で努力する。

数理手法Ⅶ
2019年度開講

数理手法Ⅶ

時間とともに変動する現象を記録したデータが時系列である。時系列に基づき、複雑な現象を理解し、予測、制御や意思決定を行うための方法が時系列解析である。この講義では、時系列のモデリングのための前処理や特徴の可視化、統計的モデリングの方法、線形・定常時系列モデル、状態空間モデルおよび非線形・非ガウス型モデルについて、実際の問題への応用含めつつモデリングの方法を中心に解説し、現実の問題に対応して適切なモデリングができるようになることを目標とする。